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第5回マイニング探検会を開催しました

 第5回マイニング探検会は、8月27日(金) に東京大学アントレプレナープラザで開催。探検会メンバーの各グループによる検討報告とそれについてのディスカッション、話題提供等を以下のとおり行いました。

1.話題提供

LibX Japanese Home Edition (LibX家庭版)の紹介とMaitanXへの誘い

 前田氏から、LibX Japanese Home Edition (LibX家庭版)について紹介がありました。LibXは欧米メインの大学や研究機関向けのツールですが、その日本向けかつ一般家庭向けバリエーションです。
 マイニング探検会での報告を経て、以下のURLにて試行公開しました。

 Webは情報が溢れていますが玉石混交のところがあります。本職の研究者ではなくともWebで検索をしていると信頼性の高い情報が(特にレポートや論文を書くときなど)欲しいときがあります。そのようなときに、学術情報データベースを簡単に呼び出すことができたら使い勝手がよいのではという考えです。
LibX家庭版は、WebブラウザにWebCat, CiNii, J-Global, Google Scholarの詳細検索並の検索機能をその検索バーやマウス右ボタンで、簡単に呼び出すことができます。また、普通のWebページや日本版Amazon、GoogleからもWebCatへのリンクを自動生成します。
 このLibXの学術情報へのナビゲートの考えをさらに進めて考える「MaitanXプロジェクト」のメンバー募集も合わせて行いました。

マイング探検会のWikiテンプレート

 日向野氏からマイニング探検会用のWikiテンプレートについて、説明がありました。マイニング探検会で「やりたいこと」として挙がっている「メタデータつなく系」に使うことを想定したものです。
日向野氏が作成したテンプレートは1)執筆者に関するページ、2)書籍に関するページ、3)論文に関するページ、の3つ。
 用意したテンプレートの項目(ISBNなど)を埋めると、自動的にWiki上で整形表示されます。現在調整中です。

2.「やりたいこと」別グループの報告とディスカッション

メジャーグループの報告とディスカッション

 前回(第4回)のマイニング探検会のあと、「やりたいこと」についてネットでやりとりをしました。そこで挙がった「やりたいこと」の中でも、多くのメンバーを集めた「やりたいこと」のメジャーグループ3つについて進捗報告とディスカッションを行ないました。

「サービス作る系」[報告:牧野氏]

 いまの図書館のサイトで「こうしたらいいいのでは」と思い付いたものをマイタンWikiに書き出し中。いまのところ、1)ブログパーツ、2)HTML5を使ったローカルストレージの利用、3)メールでOPACをタイトル検索、などが挙がっているとの報告がありました。
 また、牧野氏から開発中の「著作物サーチ」(以下)について紹介がありました。著者名から「図書」「雑誌論文」「Wikipedia」情報を横断検索する仕組みです。(「国立国会図書館サーチ」のAPIを利用しているとのことです)。さらにOPACの検索と連動させることによって,より効果的な見せ方ができるのではないかと検討中。

[ディスカッション]

 「サービスを作る」にあたり、マーケティングの視点が必要ではないかとの問題提起がありました。普段図書館を使わない人にいかにサービスを提供していくかをメインテーマに、以下の意見のやりとりがありました。

  • 図書館のブログパーツ提供やiGoogleガジェットは有効か
  • ツイッターでつぶやいた言葉から、近くの図書館を案内する仕組み
  • ショールームとしての図書館(魅力的な図書の並びが前提)
  • ツイッターのボタンを付けるなど、図書館員がOPACインターフェイスに手を入れやすくしていくといった考え方はないか
  • OPACのインターフェイスデザインや図書館用語のようなユーザフレンドリーになっていないところの改善から考えては

「究極のレファレンス」[報告:三津石氏]

 グループ内での話の柱として、1)いまの時代に即したレファレンス、2)ナレッジマッシュアップ、の2つが挙がっています。「レファレンス2.0」をキーワードに、サービスとして作れるのであれば作ってしまうことを考えているとの報告でした。特に、「コミュニティをつくるのが究極のレファレンス」と考え、情報を知っている人に重点を置いたレファレンスを考えています。

[ディスカッション]

 以下の提案がありました。

  • 分野のレファレンスブック提示
  • 下調査の有料代行サービス

「連想検索を利用したサービス」 [報告;青木氏]

 まずは、連想検索エンジン"GETAssoc"で簡単に連想検索ができる環境を作ることから始めます。問題は十分な規模のあるデータを用意しないと面白い連想検索ができないこと、との報告がありました。

[ディスカッション]

 連想検索について、以下の意見の交換がありました。

  • 目次(ブックコンテンツ)のデータで連想検索をすると面白い、目次や帯の公共的に使えるデータがあれば活用したいところ
  • 青空文庫でよく似た作品を連想検索させるシステムはできないか
  • GETAssocの「言選Web」プラグインを用意できないか
  • 飲食店のデータを連想検索にかけては面白くないか

マイナーグループに関連してのディスカッション

「Twitterボットのッターをシリーズ化していけるところまでいく」

 山田氏から、「論文ったー」をはじめとする「ったー」シリーズの作成法、つまり概要説明とソースコードを、マイニング探検会のWikiページに載せたとの報告がありました。「論文ったー」のような仕組みを自分でも作れるそうです。

「オフライン系」

 移動図書館の移動ルート最適化について考えてはどうかとの提案がありました。

「OPACでの検索ログ分析による件名の自動提示」

 図書館ニーズや実体調査といったOPACログの活用も含めてのディスカッションになりました。複数の大学図書館のOPACのログデータが入手できれば活用の余地が大きいのではないかとの意見がありました。各大学からログデータの提供を受けるにはどうすべきかについて、意見の交換を行ないました。

3.今後の進め方について

 主催の岡本氏から、今後の進め方について次のとおり行う旨の 話がありました。

  • 今後の定例会はメジャーグループの報告とディスカッション(1グループ1時間程度)が中心です
  • 各グループで責任者(全体を把握する人)を決めてください
  • 「メタデータつなぐ系」グループは人数が多すぎるので分派の作成を
  • マイナーグループも今後人数が集まればメジャー昇格できます。6から8くらいのメジャーグループが理想です。

次回のマイニング探検会は9月24日(金)の予定です。

文責: 前田朗