第4回マイニング探検会を開催しました
第4回マイニング探検会は、7月23日(金)に東京大学アントレプレナープラザで開催されました。今回の進行は以下のとおりです。
今回の内容
- 参加者からの報告
- 「自分のやりたいこと」についてのショートプレゼンテーション(全員)
- 次回までの課題設定
関戸麻衣(国立情報学研究所) 「KAKEN, 研究者リゾルバーAPIそして第2回CiNiiAPIコンテスト」
関戸さんからは。文科省の科学研究費補助金(科研費)を受けた研究についての情報を収録したデータベース「[http://kaken.nii.ac.jp/ KAKEN]」と、研究者情報のデータベース「[http://rnr.nii.ac.jp/ 研究者リゾルバーβ 1.0]」の紹介がありました。
「研究者リゾルバーβ」は、KAKENやReaD、各研究機関の研究者情報を用いて、研究者情報の同定を行い、Webcat PlusやGoogle Scholarなどへのリンクを提供しています。「KAKEN」と「研究者リゾルバーβ」はいずれもOpenSearch APIを提供しています。また、現在行われている第2回CiNii APIコンテストの案内がありました。
小野亘(一橋大学)「大図研オープンカレッジの記録」
小野さんからは、大学図書館問題研究会で行われた議論の報告がありました。テーマは「電子書籍の普及の中で図書館員はどうしていけばよいか」というもので、小野さんから「現状でできることをやり尽くすことが必要」「過渡期の中でいろいろなサービスを作っていけることは幸せだ」との意見がありました。
福林靖博(国立国会図書館)「技術屋と法律屋の座談会に参加」
福林さんから、7月17日に行われた情報ネットワーク法学会の「技術屋と法律屋の座談会」への参加報告が行われました。「(図書館システムの)仕様を書く側としては、仕様の書き方やガイドラインが大事」「今後は技術者・法律関係者に加えて、サービス提供者側も加わって話し合う機会があるとよい」という感想が述べられました。
田邉稔(慶應義塾大学メディアセンター)「ソーシャルメディアを活用した学術情報サービス」
田邉さんからは、利用者の情報探索の要求には「いますぐ知りたい」と「腰を据えてしっかり知りたい」のふたとおりがあり、これを満たすにはソーシャルメディアと学術情報の融合が有効ではないかとの意見が述べられました。あわせて、システムの利用ログと、利用者へのアンケートやソーシャルメディアの状況を取り込んで分析することが必要であり、その分析のためには個々のユーザを識別するための認証基盤が大きな役割を持つとも述べられました。
外崎みゆき(関東学院大学)「指定図書機能とCiNii新機能」
外崎さんからは、勤務先の関東学院大学のOPACとCiNiiを用いた「教員著書・論文(テスト版)」機能が紹介されました。メーカー製の OPACで提供されている「教員指定図書機能(著者名検索結果にリンク)」を著者名典拠の検索結果に切り替え、著書一覧を表示させる仕組みと、教員名から執筆論文が登録されているCiNiiで著者名検索結果をリンク表示する、論文リンク機能の紹介がありました。「将来的には、教員が自分の著書や論文を紹介する参加型の機能を提供したい」とのことです。
清田陽司(東京大学)「メタデータ連携Wikiの提案」
清田さんからは、「メタデータ連携Wiki」の提案がありました。これはWikiを用いて、それぞれの情報サービスのメタデータ体系を緩やかにつなぎ、典拠レコード的に利用することを想定したものです。提案の背景として、「図書館の作成する書誌IDや典拠レコードは、Web検索に必要なURLの付与やレコメンデーションに利用できるが、現実にはこれらの作成は機関ごとに別々に行われており、作業コストが大きい」という問題意識が示されました。
ショートプレゼンテーション
次に、参加者全員で「マイニング探検会で自分がやってみたいこと」についてのショートプレゼンテーションが行われました。さまざまな提案がありましたが、そのうち具体的なものを以下に示します。
- OPACでの検索ログ分析による件名の自動提示
- 連想検索を利用したサービス
- 図書館への問い合わせメールの内容に応じた担当者の自動振り分け
- 近刊情報データベースと図書館システムの連携
- Twitterを利用した情報提供botの作成
次回までの課題設定
このプレゼンテーションの内容をもとに、次回までの課題(岡本さんいわく「夏休みといえば宿題でしょう」)として、参加者は以下のことを行うことになりました。
- 月曜までに、各自のショートプレゼンテーションの内容をまとめて、メーリングリストに投稿する
- 興味のある内容について、参加者でグループを作成してWikiに登録、8月1日から各グループで作業
- 次回開催日の8月27日にグループごとに発表
文責: 田辺浩介