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東大産学連携企業株式会社リッテル

第28回マイニング探検会を開催しました

第28回マイニング探検会

http://www.facebook.com/events/405894136140719/

 

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日時 9月21日(金)19:00-21:00

場所:株式会社ネクスト 本社 3階会議室

 

スケジュール:

  1. 19:00-19:30 合宿成果報告(1)
  2. 19:30-20:00 合宿成果報告(2)
  3. 20:00-20:30 合宿成果報告(3)
  4. 20:30-20:50 まとめ
  5. 20:50-21:00 来月の開催場所(OR開催日)

係分担:

  • 記録係:岩井
  • 中継係:嶋田
  • 懇親会係:
  • タイマー係:日向野

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ustream→http://ustre.am/ONB8

togetter→http://togetter.com/li/377548

 

●今回は合宿の報告会

-9/8(土)〜9/10(月)に実施した合宿で3チームが製作した成果を発表する

-ネクストの方々からもいろいろとツッコミを入れてほしい

 

●マイクロボランティア班 発表:三津石

・テーマ「図書館への返却タイミングを利用した本を選びやすくする評価データ収集・提供システム」

・背景

-本を選びやすくしたい

-既存のECサイト等の情報だけでは不十分なので、別の評価軸がほしい

--評価がつきやすい本が限られる、未購入でも評価できる、購入価格に左右される、極端な評価(5か1か)に偏りがち

-図書館の返却時の待ち時間を利用できないか

--新旧・幅広いジャンルの本が借りられる

--利用履歴が明白

→本の返却タイミングを利用した、本を選びやすくするための評価データ収集と提供

・Strategies

-返却時にカウンターで利用者が投票、複数の図書館で横断的にデータ収集

-本を選ぶためのインタフェース(OPAC等)に、収集データからの指標を提示

-指標データはパッケージ販売するが、参加館には無償提供

・システムイメージ

-本の返却時に利用者向けに表示する画面を用意し、感想や評価をタッチしてもらう

-OPACの検索結果に、応援数やラベルを表示

・達成目標

-1冊あたり20人からの評価を収集

-5年間で100万冊の評価を収集

-システム導入館100館

・導入シナリオ

-「情報館」に組み込んで学校図書館に展開

-ウェブや既存の書評情報をマイニングして初期データ登録

・質疑コメント

-評価の取得を返却時に持ってきたのは面白い

-図書館側のメリットがよく分からない

→他の館も含めた情報を得られ、選書に役立てられる。本を選ぶことの支援材料になる。

導入のコストは敷居が高いかもしれないが、協力館にデータ無償提供というインセンティブはある。

-選択肢方式だとあまり大したデータは取れないだろうが、フリーコメントでの取得については議論はあったのか、それともシステムから考えていったのか。

→議論の出発点はマイクロボランティアで、図書館にどう活用するかという方向で考えた。

本に関して、「楽しい」などの感情情報は意外と取れていないようなので、その部分での付加価値はある。

-途中では返却ボックスを使うという話もあったのでは。

→返却するボックスを分けるというアイディアもあったが、図書館の負担や、ジャンルごとに感情情報の種類を変えるなどを考えると、システムを使う方向に落ち着いた。

-本の書評を持ってくるところで、昨年のシービブリオでは近刊情報を使っていた。感情情報を探すなら、Twitter等では十分な情報は得られない。Googleのブログ検索あたりか。

→たとえば「ヤバい」という言葉があったら、それがどういう文脈で使われているのかを分析するなどは、技術的なチャレンジになるが、不可能ではないのでは。ある本に対応するテキスト情報をどこからどう持ってくるかが一番難しいと考えている。

-モニタが他の人に見えるのはマズいのでは。

→回答するかどうかは利用者の自由とする。見られる可能性があっても構わない人に協力してもらう形で。

-とても面白い。学校図書館から始めるとのことだが、一般に広げていく戦略は。

→児童・生徒は協力してくれそうというのもあるが、今回のシステムは図書館システムに手を入れる必要があるため、メンバーに関係者がいる「情報館」を想定した。拡大については議論できていない。

-ビッグデータ分析と絡めてほしい。自分も書評を参考にしたりするが、「楽しい」の意味が人によって違って、実際に読んでみると期待を裏切られることもある。感情の大きさも違う。この人の「楽しい」の意味はこういう意味なんだという分析などができれば、より精度の高いおすすめができるのでは。楽しい度合いをアナログで示すとかはどうか。

→集めたデータをどう使うかはこれから考えるところ、人の手を加えたほうが評価に効くというところに絞って人手をかけ、それ以外はできるだけ自動化したい。そのへんの細かい議論はまだ煮詰まっていない。

 

●キャリアパスファインダー班 発表:日高、田邉

・テーマ「図書館業界人のためのキャリアパスファインダーを作ろう!」

・背景

-図書館の業態が変わってきた

-司書教育システムの老朽化、相対的レベルの定価

-雇用形態の変化(非正規雇用、委託)による現場教育の弱体化

・ビジョンとミッション

-図書館員の専門性アップからの地位向上

-図書館業界における、需要と供給を最適化するためのコミュニティを構築する

・システム

-基本理念:人材データベースをコアとして、良い人材を探している人や、キャリアアップしたい人を支援する

--どういう人材がいるか

--どういうイベント・研修機会があるか

--情報のソースはNIIやNDLの研修、異動情報、各種Webサイト

-データベースを構成するテーブル:イベント情報、人物情報、QA情報、経歴・スキル情報

-利用シナリオ

--図書館員編 スキルアップの機会やアドバイスの発見

--企画者編 講師の発見、講演会の告知

-図書館業界の特徴

--専門性の中身が曖昧模糊としている

--需要の中身を読み解いてやるキュレーターの存在が必要

-匿名性も残してやる必要あり

・目標

-継続可能なビジネスモデル構築を目指す

--広告等(優先イベント告知等)

-事務局も必要

・質疑コメント

-満足度はどこから持ってくる?

→イベントならアンケートから、Q&Aなら評価インタフェースを作る。

--一般的なQ&Aサイトでは満足度評価ってやってくれるもの?

→既存のQ&Aサイトではベストアンサーなど比較的やってくれているように見える。

--アンケートの結果はどうやって入力する?

→これもインタフェースがあるといい。

-企画職の立場から。エンジニアやコーダーに比べると、専門性やキャリアが曖昧であるところはちょっと似ている。エンジニアやトップランナー的な人に引っ張られて知識やセンスが磨かれる部分がある。司書の業界ではそういう人がいるのか、見えているのかどうか。

→よくイベントに出てくる人がトップランナー。しかし出てこない人にも有能な人は多いが、そういう人にどうやって光を当てるかというのが問題意識。外に出て機会を求めるということも図書館業界ではなかなかない。

→IT業界ならブログ等で情報発信するのが当たり前だが、図書館ではそういう文化がない。

-図書館の人たちに限定したサービスではなく、外の空気を入れることも必要では。書店や美術館といった隣接業界。

→今は隣接業界同士の流動も起きている。まずは近いところからと考えているが、このような仕組みは他の業界でも使えるのでは。

-司書のことは全然知らないで言うが、聞いた範囲では事務職に近いように感じた。事務職の世界も、資格などのラベルだけで判断できない。気づき、視野、気づかいなどアナログな部分が重視されている。そういう世界では口コミが重要。そういった情報も組み込めれば。

→今回の議論ではどういう評価軸が使えるかと考えたが、図書館業界では資格としては司書とサーチャーくらいしかない。そのため専門性を定義できる場を作ろうと考えた。

 

●レファレンス班 発表:岩井

タイトル:本棚オリエンテーリング

目的:レファレンスサービスをよりよくする

 

レファレンスとは

・貸出業務以外に図書館で提供しているサービス

・情報の探索や、図書の探索をプロの図書館員がお手伝いするサービス

<=>レファレンスがよく利用されていないので、より活用される仕組みを提案

 

利用者の行動

1.図書館に来てOPACで図書を検索

=>見つかって満足

=>見つからずに不満

2.レファレンスカウンター

=>心理的障壁があり利用されづらい

 

そこで、次のようなVMを考案

・Vision: 全ての調べるをHappyに

・Mission: 問題解決を必要としている全ての人々に新たな道しるべを示す

 

どうやって利用者の心理的障壁を下げることができるか

=>書架に設問をばらまいてオリエンテーリング

 

なぜオリエンテーリングか

=>オリエンテーリングを中心とした波及効果を狙う

・メルマガ登録

・利用者のセグメンテーション

・OPACでのレファレンス事例検索の利用

・レファレンス事例の活用測定

・書架利用の活性化

・ユーザーコミュニティの形成

 

調べ方への関心をオリエンテーリング参加者で定量かする事が可能

=>5年間で毎年参加者を2倍とする(5年間で16倍)

 

◇質疑応答

Q. レファレンスとはなにか

Q. ゲーム性を図書館に持ち込むのは面白いと思うが、***

Q. 図書館は人が来て欲しいのか?図書館の目的はなんなのか?

Q. 清田先生がこのテーマに取り組んでいることに驚いた、子どもや学生にとっては有用なのかもしれない

 

●成果発表2点 前田

・データマイニングによる蔵書評価の試み

https://mbc.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/lecture/librarycollection_datamaining.pdf

-テーマ「東京大学柏図書館が、新領域の学生にターゲティングした蔵書になっているか」

--手法:柏図書館の蔵書タイトルのキーワードと、新領域のWebサイトでのキーワードとのマッチング

--相関係数0.56と一般にいう「中程度の相関」

--回帰直線から離れたキーワードは、所蔵バランスの悪いテーマか

-テーマ「学内の図書館・室のクラスタリング」

--どの館とどの館が近いか→図書館のポジショニングを考える材料

--手法:蔵書内のキーワードの共起を見る

--柏図書館は、総合図書館や駒場図書館に近く、なおかつ工学系にも親和的

・Googleカレンダーを使った会議室予約の可視化

https://mbc.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/lecture/Conference_room_reserved_visualization.pdf

-背景:キャンパスの複数の組織が利用、状況が分かりにくいとのクレーム

-オープンでかつプライバシーに配慮ができ、メンテナンスが容易という条件からGoogleを採用

-登録できる情報...個人情報・プライバシーを考えると、非常に限られる

-メールのみの受付に一本化してGoogleには予約番号のみ登録。一本化に関してはポスターで周知。

・質疑コメント

-蔵書評価の入力情報はタイトルだけ?

→タイトルとサブタイトル。

-同じ入力情報を使って違う結果が出るというのは、どう解釈すれば良いのか気になる。

→手法が違えば見え方も変わってくるということか。

-ポジショニングを測るというのは、いろんな分野、それこそHOME'Sなどにも応用できる。今回得たデータをどういうふうに活用していくかということで完結していくのではないか。PDCAをどう作っていくか。

 

●次回

-10月12日(金)

-図書館総合展で発表するものは、きちんと作りこんだほうがよい。

-去年やったものをやるなら、それでもよい。各人自分のテーマを持っておきたい。

-合宿を年2回、冬にやって企画を作って、夏秋に開発合宿というのが理想ではないか。

--ただしみんなが同じサイクルで回る必要はない。